食事介助、利用者さんは嫌がらずに食事していますか?
毎日の食事介助がなかなか楽にスムーズにいかないことはありませんか?
ご自宅、あるいは、特別養護老人ホーム(特養)のような介護施設などで介護にチャレンジし始めたあなた。
これから介護にチャレンジしようというあなた。
あなたは今、このような思い/悩みはありませんか?
毎日の食事介助、利用者さんに振り回されてうまく進まない・・声かけもうまくいかない・・どうしたら?
食事介助、実際にやってみたらうまく進まないことは、介護現場のあるあるの一つですよね。
これ、介護慣れしているベテランさんでも、よくあることです。
そんな悩みが解決に向かうよう、特養の介護現場の介護職の経験から、食事介助中の声かけも含めて、食事介助の仕方、注意点/ポイントを紹介していきます。
具体的には、利用者さんが自力で、どの程度食事ができているかをタイプ別に分類して紹介していきます。
このページと、介護 自力でご飯が食べられる人に食事介助?食事中の声かけのページの2ページで、紹介していきます。
毎日の食事介助がスムーズにできるようになると、食事中/食事介助中に余裕が出てきて、少しでも楽に介護生活を過ごせる、そんなきっかけになりますよ。
このページでは、介護をうける方を「利用者さん」と表現しています。ご自宅で介護をされている場合は、例えば、「ご家族の方」や「親しい方」のように読み替えてください。
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食事介助の仕方と注意点/ポイント 利用者のタイプ別分類
利用者さんの要支援度・要介護度といった介護の重度やそれぞれの状況、性格により、自力でどの程度食事ができるかで、食事介助の仕方と注意点/ポイントが変わってきますよね。
具体的には、下記の表のとおり分類して、紹介していきます。
紹介内容/事例 |
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1-1. 自力で食事ができる利用者さんの場合 |
1-2. 少し食事介助をしたら自力で食事ができる利用者さんの場合 |
1-3. 自力で食事ができない利用者さんの場合 |
1-4. 寝たきりの利用者さんの場合 |
このページでは、(1-3.)と(1-4.)を紹介しています。
(1-1.)と(1-2.)は、介護 自力でご飯が食べられる人に食事介助?食事中の声かけのページで紹介しています。
1-3.自力で食事ができない利用者さんの場合
ここでいう、自力で食事ができない利用者さんとは、
「スプーンや箸など用具を使って食事をとり、口元に持っていくこと」が自力で出来ない利用者さん
を指しています。
付きっきりの食事介助の大まかな具体的方法は、下記のとおりです。
- あなた/利用者さん:
テーブルやお盆に何が並んでいるかを見ながら、食べたいものを選択して、 - あなた:
スプーンや箸などの用具で食べたいものをとって、 - あなた:
利用者さんの口元に添えて、 - 利用者さん:
口を開けて - あなた:
口の中に入れる
この具体的な食事介助の仕方のうち、
「1.:テーブルやお盆に何が並んでいるかを見ながら、食べたいものを選択して」では、メニューを声かけで会話するようにしながら・・・
でも、介護食だと、見ても識別できないこともよくあるよ。健常人用の固形じゃなくて、ペースト状だったりすることもあるからね
あなたは、『介護食』を見たことはありますか?
飲み込む力や噛む力が弱った方、介護を受けている方が食べやすいように、いろんな工夫がされています。
介護を受けている人それぞれの状況にあわせて、様々な介護食があります。
それらのうち、ペースト状の介護食もあって、見た目では何がペースト状になっているのか、これがさっぱり分かりません。
私も、特養で、食事のメニュー/献立表をみて、「 お、今日はハンバーグか、いいな~。私も食べたい」と思って配膳を見ると、見慣れたハンバーグの影も形もない。
聞いてみると、ペースト状の食品が入っているお皿を指されて、「 これがハンバーグ!?」といったことは、よくありました。
「 世の中いろんなものがあるね~!」と思ったことをよく覚えています。
ですので、食事介助をスムーズにするためにも、声かけにメニューを取り入れることは有効なのです。
そんな介護食、前述のとおり、本当によく考えられて、いろんな工夫がされてできています。
例えば、とろみ加工されていたり、サイズが小さめになっていたり。
喉に詰まりにくいなど、細やかな気遣いというものをよく感じます。そんな細やかな気遣い、日本企業や日本人が得意なところでしょうか。もちろん、味も美味しい。
「 そんな介護食、介護施設じゃないと作れないんじゃない?準備できないんじゃない?」と思った、自宅で介護を頑張っているあなた。
そんなことはなくて、介護食の宅配食サービスを活用する、という方法もあるよ。
私も実際に試してみて、いろんなバリエーションがあって、味も良いし、金額もお手頃価格でおすすめですよ。
「 うちのじいちゃんばあちゃんや大切な人に、少しでも安心して美味しいものを食べてほしい」という時には。
是非、日頃の介護生活に介護食の宅配サービスを、取り入れる選択肢の一つにされてはいかがでしょうか。
こんなメリットが得られますよ。
介護をしているあなた:食事介助の準備の負担も軽くなる。時短にもつながって、あなた自身の時間をより長く確保できる。
介護を受けている大切な人:食事のバラエティを選ぶことができる、楽しむことができる。
介護を受ける大切な人が得られるメリット、多くの食事の種類の中から、好きな食事を選ぶことができる。
これは、介護を受ける前に普通にできていたことが、変わらずできるということ。
これ、介護を受けている大切な人がより前向きに、尊厳のある暮らしを過ごすために、かなり大切なポイントですよ。
食事介助と尊厳のある暮らしについては、介護 食事介助をされる状況とは?利用者の尊厳のある暮らしのページでも紹介しています。
あわせてご覧になってくださいね。
あわせて読みたい
なお、「 介護食?イメージはつくけど、あんまりよく知らない」という時には、のページをご覧になってくださいね。
介護食とは?介護食の種類は?
続きまして、上述のピンク色枠の具体的な食事介助の仕方のうち、「2.以降」の注意点/ポイントは、
一口一口の間隔を調整しながら
料理がこぼれたら、その都度きれいに拭くようにする
一口一口の間隔、口の中に食べ物が減ったら次の一口。介護をしているあなたが健常者でしたら、普段自分で意識もせずに出来ていますよね。
一方で、自力で食事が出来ない利用者さんは、一口一口の間隔調整が、自分では出来ない。
あなたが調整するので、当然、
間隔が短すぎたら口を開けない/開けてくれない。⇒嫌がる。⇒ついには怒り出す。
間隔が長すぎたら催促される。
なんていうことは、介護現場のあるあるの1つ。
少しでも楽に、できるだけ楽しく食事をする、そんな介護生活を過ごすためには、一口一口の間隔は、結構な重要ポイントです。
上記の注意点/ポイントの「料理がこぼれたらその都度きれいに拭く」は、自力で食事ができない利用者さんの食事介助では、「 こんなにこぼれるの!?」というくらい、よくこぼれます。
テーブル、お盆、食器周り、服の上、ベッドの上、口の周りや首元にも。
特に、口の周りや首元にこぼれた場合は、その都度きれいに拭くようにします。
これは、健常者のあなたも、普段の食事中にしていることと同じですよね。
1-4.寝たきりの利用者さんの場合
基本的には、「1-3.自力で食事ができない利用者さんの場合」で紹介しました食事介助の仕方、注意点/ポイントと同じです。
これに、+αとして、より気を付ける食事介助の注意点/ポイントは、
食事介助中の姿勢に気をつける
具体的には、リクライニングベッドで上半身を上方向に引き上げたら、下にずり落ちないようにします。
例えば、クッションや丸めたタオル等を使って、身体の位置を固定するといいよ。
これは、介護 食事介助前に準備しておくと食事介助がより楽になる、5つのお薦めポイントのページにおける、【ベッド上に座って食事をする場合】で紹介した内容と同じです。
こちらもあわせてご覧になってくださいね。
介護 食事介助の用具~箸で食事介助は有り?~
食事介助の用具といえば、最初にスプーンが思い浮かびますよね。
この時、「 箸で食事介助をすることは有りかな?」と思うことはありませんか?
「 やっぱり慣れ親しんだ箸で食べたい、箸の方が落ち着く」という利用者さんのコメント、特養でよく聞きました。
スプーンを使っていても、利用者さんが自力で食べる場合でも、介助する方が使う場合でも、とにかくよくこぼれます。
これは箸を使っている場合も同じ。
「 同じなら、どうして介護ではスプーンを使うことが多いの?」という疑問が浮かびますよね。
スプーンを使うことが多い主な理由は、使いやすい、安全、介護食向きの3つ。
食事介助をする立場からしても、使いやすいという理由は結構大きいよね。
さらに、介護食はペースト状も多いので、箸よりスプーンの方が食事介助に向いています。
一方で、そうはいっても、ペースト状の献立じゃない一品があるのでしたら。
指先をより使う機会になるという意味でも、箸を使うことは有りじゃないかな。
「 箸だと、箸を何度も落として食事介助が面倒なんだよね」というコメント、利用者さんからも介助する立場の方からもよく聞きます。
確かにそのとおりです。時間も余分にかかるしね。
それでも、利用者さんが箸を使いたいという希望があるのなら。
当たり前に箸を使って食事をする。
この当たり前の行為をする/できることは、利用者さんの尊厳のある暮らしを維持する、守ること、さらには、利用者さんの介護生活への前向きさにも影響してくるよ。
そうなると、介助をしているあなたも利用者さんも、「もっと当たり前に」、介護生活を少しでも楽に過ごせるきっかけになるよ。
そうはいっても、「 やっぱり箸は何度も落とすし面倒」という時には。
リハビリ用の箸や自助具の付いた介護用の箸というものがあります。
これだと、「何度も落とす」回数を減らすことができて、ご自宅で食事介助をする場合でも使いやすいんじゃないかな。
食事介助の仕方と注意点/ポイント まとめ
いかがでしたでしょうか。
食事介助中における具体的な食事介助の仕方と注意点/ポイントについて、
1-3.自力で食事ができない利用者さんの場合
1-4.寝たきりの利用者さんの場合
について紹介しました。
さらに、「 食事介助で箸を使用することは有り」についても紹介しました。
食事介助も実際にやってみると結構大変ですよね。
しかも1日に3回程度。毎日毎日のこと。中にはスムーズにいく時もあればそうでもない時も。
食事介助の仕方と注意点/ポイント、困った時には参考にしてみてくださいね。
さらに、食事介助がスムーズにいかない時で、よくあるのは、例えば、利用者さんがなぜか口を開けない/開けてくれないこと。
「 あるよね~」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
次のページでは、食事介助で利用者さんが食べてくれない、口を開けない/開けてくれない時の対処法について、紹介していきます。
また、「 自宅で私一人が食事介助を抱え込んでいて、毎日大変・・」という方もいらっしゃるでしょうか。そんな時には、例えば、
毎日の介護生活を少しでも当たり前に楽にするきっかけになり得る、気晴らし/リフレッシュにもなる、お茶/お菓子ブレイク(カフェタイム [jin_icon_cafe size="15px" color="#24b500"])という方法がオススメ
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さらに、宅配サービスを活用するという方法もオススメ
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あなたが普段の介護生活を、「もっと当たり前に」少しでも楽に、時短にして過ごせるように、そんなきっかけやお力に。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
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