食事介助。利用者さんは嫌がらずに食事していますか?
毎日の食事介助が楽にスムーズにいかないことはありませんか?
ご自宅や特別養護老人ホーム(特養)などの介護施設で介護にチャレンジし始めたあなた。
これから介護にチャレンジしようというあなた。
食事介助について、こんな悩み/思いはありませんか?
利用者さんがなぜか食べてくれない・・なぜか口を開けない/開けてくれない・・
時間ばっかりかかって、食事介助が全く進まない・・どうしたら食べてくれるの?
これらの思い、「 ついさっきの食事介助でもあったよ」のように、介護現場のあるあるの一つですよね。
食事介助に慣れている介護のベテランさんでも、新人さんでも。
このページでは、特養で介護職をしてきた経験をもとに、「 そんな時にはどう対処したら?」について、紹介していきます。
介護をしているあなたも利用者さんも、食事介助/食事が少しでも楽に、ストレスなくスムーズに進んだら。そんな機会が増えたら。
こんな生活を過ごせるきっかけになりますよ。
介助をしているあなた:介護に要する時間や労力が減って、あなた自身のために使える時間や機会が増える
介護を受けている大切な人:少しでも楽しく美味しく食事できる機会が増える
これから先、食事中/食事介助中に余裕が出てきて、より楽に介護生活を過ごせる、そんなきっかけになりますよ。
このページでは、介護を受ける方を「利用者さん」と表現しています。ご自宅で介護をされている場合は、例えば、「ご家族の方」や「親しい方」のように読み替えてください。
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利用者さんが食べない、口を開けない/開けてくれない、主な理由は?
食事介助中に利用者さんが食べてくれない、口を開けない/開けてくれない理由。
利用者さん毎に、その時々でそれぞれ違いますが、そのバリエーションは意外と少なくて、「 誰でも一緒だね」と言えるようなことだったり。
食事介助中に利用者さんが食べてくれない、口を開けない/開けてくれない具体的な理由は、おおよそ、次の3つに分けられることが多いです。
① 食事介助中の一口の間隔が短い、タイミングが早い
② 利用者さんの機嫌が悪い
③ 利用者さんの体調が悪い、あるいは/かつ、食欲がない
言われてみると、どれもありきたりな理由ですよね。
②や③は、介護を受けていない健常者でもあることですよね。
ここからは、「 それぞれどう対処したらいいの?」を順に紹介していきます。
① 食事介助中の一口の間隔が短い、タイミングが早い場合
食事介助中の一口の間隔が短い、タイミングが早い。
これは、「食事をとったスプーンや箸などの用具を、利用者さんの口元に持っていく間隔、タイミングが早い」ということ。
間隔が短すぎると利用者さんが怒り出す。逆に間隔が長いと催促されてしまう。
利用者さんからすると、「 わしのペースに合わせて上手くやってくれ!」ということだね。
実際にこのように直接言われる利用者さんもなんと多いことか。
話せない利用者さんの中には、食器でテーブルをバンバン叩いたりすることも。
一方で、介護をしている介護職員や家族・親しい人からすると、
利用者さんのペースに合わせたいんだけど、そんな時間や余裕はないのよね・・
わがままばっかり言ってんじゃないよ・・
毎回毎回ぶりぶり怒りやがって・・どんな生活をしてきたんじゃ・・
なんでそんなに上から目線で言われないといかんの・・
と思ってしまうことが、それなりにあったりもするよね。
あなたはいかがでしょうか。
特養のような介護施設では、介助内容が時間によって細かくスケジューリングされています。
現場の介護職員は、流れ作業みたいにそれを守ることを優先してしまうことも。
なぜなら、食事介助の後の、他の介助の仕事の時間が圧迫されてしまうから。
そのため、「 ちょっと早いかも?この一口の量多いかも?」と思いつつも、ついつい早めに、多めになる。
そうこうしているうちに、介護職員と利用者さんが衝突してしまう。
そんな対処方法の提案、それは、
意識して少し待つこと ⇒ 少し待つことで、口を開けてくれます。
あまり時間や余裕がないような時も、気分を落ち着かせて、やっぱり待つ。
介護施設では、利用者さんの1人や2人の食事介助の終了が少々遅れる程度のことは、日常茶飯事。
介助をしているあなたからすると、ちょっとイライラする気持ちもわかるけど、細かくスケジューリングされていても、少々のことなら介護職員同士でカバーできたりしますから。
下記のページでは、介護職員の視点からみた、特養の1日の流れを紹介しています。こちらもあわせてご覧になってくださいね。
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特養の1日 朝起きてから昼ご飯までの流れ
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一方で、ご自宅で介護をしている場合は、食べるのが遅いと、介護をしているあなたは、「 私も忙しいんですけど!正直、付き合ってらんない!」と思うこともあるよね。
毎度のことだと、心の余裕を維持するのも難しいよね。
そんな時には、あなた1人で抱え込まずに、誰かに相談することがおすすめです。
「 我が家の介護を誰かに相談するなんて恥ずかしいし、世間体も気になる・・」という思いは封印して。
自宅での介護の場合は、誰かに相談してみる。これです
この誰かに相談してみるというチャレンジ、少しでも楽に介護生活を過ごすきっかけになるポイントです。
相談先は、例えば、担当ケアマネジャーや地域包括支援センター、さらには、クラウドケアのサービスの活用もおすすめです。
地域包括支援センターを活用してみることは、下記のページで紹介しています。あわせてご覧になってくださいね。
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クラウドケアというのは、民間企業が手掛ける、自費による、訪問介護、家事・生活支援のサービスです。
もしも、介護をしているあなたが、「 在宅介護、ちょっとしんどい・・」、「 在宅介護、少しでも楽にしたい」、「 時間や心に余裕が無い」という時には、大きな助けになり得るサービスです。
クラウドケアというサービスは、比較的新しいサービスなので、「 知らないです」という時には。
下記のページで詳しく紹介しています。あわせてご覧になってくださいね。
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そのためには、複数人でのサポート体制をどう構築できるかもポイントになるんだね
② 利用者さんの機嫌が悪い場合
利用者さんの機嫌が良くなくて、食べてくれない、口を開けない/開けてくれないことも、主な理由の一つです。
「 なんじゃそりゃ!?駄々っ子か!?」と思われる方もいらっしゃるでしょうか。
実際の介護の現場では、この理由で食事介助がなかなか進まないこと、結構たくさんあったりするのよね。
私が働いていた特養でも結構ありました。これも日常茶飯事です。
話してみて、食べるようになったら食事介助/食事をする。
それでも利用者さんが食べない、口を開けない/開けてくれないのでしたら、あなたは、無理して食べてもらおうとする必要はないよ。
無理強いをしたら、さらに機嫌が悪くなるだけ。
介護をしているあなたにも利用者さんにも、良いことはないよ。「当たり前に」少しでも楽に介護生活を過ごす、からも程遠くなってしまいます。
そもそも1食や2食程度食べなくても、「 あ、ちょっとお腹すいたかも」程度で、そうそう死ぬことはないんじゃない?次の食事の機会にしっかり食べてもらいましょう。
(但し、私は医師ではありません。疾患等があって、担当医の判断で必要等、個別にあるかと思います。上記は、あくまで参考程度でお願いしますね。)
それに、利用者さんから聞いたところでは、会話なく黙々とスプーンが口元にくる、という状況は、ちょっとした恐怖を感じるそうです。
これを認識する方法は、例えば、食事介助をされる体験をしてみることがおすすめですよ。
また、ご自宅で介護をしている場合は、宅配食(介護食の宅配食もあるよ)を使って、毎日の食事に変化をつけてみることも、おすすめです。
しかも、介護食でも自分で選ぶこともできたら。
介護を受けているといっても、健常者の頃は当たり前だった、食事メニューを自ら選んだり変化がついたりすると、食事が楽しみなものに変わってきます。
そうしたら、毎日の介護生活にも楽しみが増えて前向きにもなりやすいよね。
介護をしているあなたにとっては、食事介助の準備の負担も軽くなるし、時短にもつながって、あなた自身の時間を確保しやすくなる。
まさに、「win-winな関係」。
これまで当たり前に出来ていことが、介護を受けていても普通に出来る状況。
そんな状況が増えることが、「win-winな関係」につながるよ、ということは、介護にも おしゃれできない悩みを解決して元気に~クラースの靴のページでも紹介しています。
こちらもあわせてご覧になってくださいね。
宅配食については、のページで紹介しています。あわせてご覧になってくださいね。
③ 利用者さんの体調が悪い/食欲がない場合
利用者さんが食べない、口を開けない/開けてくれない主な理由には、利用者さんの体調が悪い、或いは/かつ、食欲がない、という場合もあります。
これは、見ていてすぐに分かることもあれば、食事介助の前の声かけ/会話で分かることも。
このような時も、無理強いして食べてもらうのではなく。
介護施設でしたら看護師等に、ご自宅でしたらご家族や訪問看護/介護の方に相談してみることが近道です。
あなたが一人で全て対処しようと抱え込むのではなく、支援を求める。
食事介助だけでなく、介護全般に共通すること。
そうしたら、介護をしているあなたは、少しでも楽に介護生活を過ごすことができるようになって、自分の時間も確保しやすくなりますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「 食事介助中に利用者さんがなぜか食べない、口を開けない/開けてくれないような時、どのように対処したら?」について、紹介しました。
ご飯を食べない、口を開けない、開けてくれない ⇒ 余分に時間がかかったり、あなたも利用者さんもお互いにイライラしたり・・。
「 私も忙しいし余裕もないし、食べない理由なんて気にしてらんない」という時もあるかも。
それでも、理由を聞いてみる。
どうしても食べてくれない時には、無理強いはしない時も。あなた一人で抱え込むことも禁物。
気長にいきましょう!支援を求めていきましょう!自宅で活用できるサービスもあります。
そうすると、今よりも楽に介護生活を過ごせて、介護をしているあなた自身の時間も確保しやすくなったり、メリットが出てきますよ。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
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