介助の方法

介護 車椅子からベッドへ移乗/移動のポイントと重い方の対処法

2019年4月19日


毎日のベッドと車椅子の間の移乗介助/移動介助、ストレスを少なくして楽にできていますか?

毎日大変な思いをして頑張っている移乗介助/移動介助、少しでも楽にスムーズにしたいと思いませんか?

プライベート(ご自宅)、お仕事を問わず、介護にチャレンジしている、あるいは、これからチャレンジしようというあなたに。

このページは、介護 移乗/移動介助 ベッドから車椅子への移動の仕方と注意点からの続きです。

引き続き、毎日の移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイントを紹介していきます。

(このページの紹介内容)

(2-3.)車椅子からベッドへ:半身不随や立ち上がれる利用者さんの場合

(2-4.)車椅子からベッドへ:全介助が必要な利用者さんの場合

(2-5.)利用者さんが大柄で重い方の場合

あわせて読みたい

介護 移乗/移動介助 ベッドから車椅子への移動の仕方と注意点

紹介内容

移乗介助(移動介助)でよくある悩みは何?

介護は「上手にできる」よりも、ストレスを少なく気分良く

移乗介助/移動介助の前に考えること

ベッドから車椅子への移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイント
 ⇒
 (2-1.)半身不随や立ち上がれる利用者さんの場合

 (2-2.)全介助が必要な利用者さんの場合

このページでは、介護を受ける人を「利用者さん」と表現しています。ご自宅で介護をされている場合は、例えば、「ご家族の方」のように読み替えてください。

移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイント

日々頑張って介護をしているので、できるだけ楽に、ストレスの少ない介護生活を送りたいですよね。

そんな中で、毎日何度も行う移乗介助/移動介助。

介助をしているあなたにとっては、腕や腰を痛めやすいし転倒もしやすい。そもそも移乗介助/移動介助が難しい。

いろんな思いや悩みがありますよね。

そんな移乗介助/移動介助について、特養の介護現場で働いていた私の経験から、あなたの不安や悩みが解消に近づくように紹介していきます。

上手に出来るかよりも、あなたも利用者さんも、ストレスをより少なく気分良く、できるだけ楽に、そんな介護生活が大切だよね

毎日の介護生活、そこが目指しているところじゃないかな。気持ちも楽になるよ

『介護は、上手くできるよりも、お互いにストレスを少なく気分良く』

2-3. 車椅子からベッドへの移乗/移動の仕方(半身不随や立ち上がれるような利用者の場合)

これは、可動部位がある利用者さんを想定しています。

そのような利用者さんの、車椅子からベッドへ移乗/移動する時の注意点/ポイントは、以下のとおりです。

(注意点/ポイント)

  1. 平らなスペースで行うこと
  2. あなたと利用者さんが転倒しないようにすること
  3. 利用者さんの可動部位を最大限活用しながら行うこと

次に、具体的な移乗/移動の仕方は、以下のとおりです。

具体的な移乗/移動介助の仕方
  1. あなた:
    車椅子をベッドに向けて斜めに位置付けて固定(動かないように)します。
  2. あなた、あるいは、利用者さん:
    車椅子でベルトをしている場合は、ベルトを外します。
  3. あなた、或いは、利用者さん:
    車椅子のフットレスト(足置き)を邪魔にならないように横に避けます。
  4. 利用者さん:
    動かすことができる腕の方の手で、「ベッドのサイドレール(好きな場所に設置できる可動式の手すり)」、あるいは、「車椅子のひじ掛け部分」をつかみます。

    そして、中腰でもいいので、自力で少しでも、立ちます!
  5. あなた:
    利用者さんが立つ時/立った時に、転倒しないよう移乗を支援します。

    具体的には、利用者さんの正面に中腰になって向き合う、または、横に身体の距離を空けず寄り添うように立ちます。

    そして、利用者さんのズボンのウェスト部分を上に引っ張る形で、回転しながらベッドへ移乗します。

この時のワンポイントアドバイスをお願いします

あなたと利用者さんの身体の距離を空けないことが第一。より少ない力で楽な移乗ができるよ。

例えば、正面で向き合うなら、お互いの胸を密着するようなイメージがよいです

この移乗/移動の方法/仕方なら、介助をしているあなたも利用者さんも転倒する危険性/可能性も抑えることができるよ。

あなたが腰や腕などを痛めるリスクも低減できるよ。

少しでも楽な移乗・移動を目指しましょう!

(絵で説明できなくてごめんなさい・・)

(2-1.)のベッドから車椅子への移乗/移動の場合と、あまり違いはないのかな?

そうだね。基本的な移乗/移動の仕方、注意点/ポイントは同じだね。

やっぱり、利用者さんの可動部位を最大限活用して、自ら回転してもらうようなイメージ。主体的に動くのは利用者さん。

あなたは、支援/援助的なイメージ。そうしたら、要介護度の進行を抑えることにもつながるよ

あわせて読みたい

介護 移乗/移動介助 ベッドから車椅子への移動の仕方と注意点

2-1. ベッドから車椅子への移乗/移動の仕方(半身不随や立ち上がれるような利用者さんの場合

2-4. 車椅子からベッドへの移乗/移動の仕方(可動部位がない全介助が必要な利用者の場合)

可動部位がない全介助が必要な利用者さん。例えば、寝たきりの方。

可動部位があると、そこを活用して、少しでも要支援度・要介護度が悪化しないよう支援するところだけど、その可動部位がない。

次は、そのような利用者さんの移乗介助/移動介助の仕方、注意点/ポイントを紹介していきます。

車椅子からベッドへ移乗/移動する時の注意点/ポイントは、以下のとおりです。

(注意点/ポイント)

  1. 平らなスペースで行うこと
  2. あなたと利用者さんが転倒しないようにすること

次に、具体的な移乗/移動の仕方は、以下のとおりです。

具体的な移乗/移動の仕方
  1. あなた:
    車椅子をベッドに向けて斜めに位置付けて固定(動かないように)します。
  2. あなた:
    車椅子でベルトをしている場合は、ベルトを外します。
  3. あなた:
    車椅子のフットレスト(足置き)を邪魔にならないように横に避けます。
  4. あなた:
    利用者さんの正面に向き合い、中腰になります。

    利用者さんの両腕をあなたの肩の上から背中にかけます。胸を密着させます。
  5. あなた:
    利用者さんの背中側のズボンのウェスト部分を上に引っ張り、胸と利用者さんのズボンを利用して上に上げるようなイメージで利用者さんを抱えます。

    そして、足を軸にして回転してベッドに座らせます。

この時のワンポイントアドバイスをお願いします

あなたと利用者さんの身体の距離を空けずに胸を密着させること。より少ない力で移乗できるよ

この方法なら、転倒する可能性/危険性のリスクを抑えることができるよ。

さらに、あなたが腰や腕などを痛めるリスクも。

少しでも楽な移乗を目指していきましょう!

(2-2.)のベッドから車椅子への移乗/移動の場合と、あまり違いはないのかな?

そうだね。基本的な移乗/移動の仕方は同じだね。全介助の場合は、あなたが主体的に動くイメージです

あわせて読みたい

介護 移乗/移動介助 ベッドから車椅子への移動の仕方と注意点

2-2. ベッドから車椅子への移乗/移動(全介助が必要な利用者の場合

2-5. 利用者が大柄で重い方の場合

大柄で体重の重い利用者さんの移乗介助はどうするの?移動の仕方とか

ポイントは、あなたと利用者さんの身体を密着させること。特に正面に向き合って胸を密着させること。

これは、身体の重さや大きさに関係なくて、少しでも楽な移乗をするためにとても大切で不可欠なことだよ

介護をしているあなたが小柄な女性でも。

この移乗介助/移動介助の仕方をすると、より楽な移乗が出来て、あなたの身体的負担を相当程度減らすことが出来るよ。

それでも利用者さんが大柄過ぎて、あなた1人ではとても移乗介助/移動介助できない、という場合もあり得ます。

そんな時は、あなたは1人で無理をしないことが大切です。

あなたが1人で無理をしてしまったら

あなたと利用者さんが転倒して骨折や入院等につながり得る。

利用者さんがそのまま寝たきりに。あなたも怪我をしてしまう。

なんてコースもあり得ます。これ、結構たくさん聞くよね。

介護生活を送っている方にとっては、他人事じゃないこと。

骨折が要支援や要介護の入り口になる主な原因の一つ、ということを、将来、あなたに介護が必要になる原因は?~厚生労働省の統計からのページで紹介しています。

あわせてご覧になってくださいね。

将来、あなたに介護が必要になる原因は?~厚生労働省の統計から

紹介内容

介護に至る主な原因は?

介護を受けるようにならないために、具体的な対策は?

あなた1人で移乗介助/移動介助ができない時には、

あなたが特養など介護施設で働いている場合は、同僚の介護職員を呼んで、2人で移乗対応を。

私が働いていた特養でも、こういった場合は毎回2人で移乗することが決まっていました。

あなたがご自宅で介護をしていて、誰も呼べない場合は、迷わず市区町村や地域包括支援センター、近所の介護サービス事業者に相談を。

相談することは恥ずかしいことではないので。

あなた1人で必要以上に頑張りすぎる必要はないのですから。

市区町村や地域包括支援センターへ相談することについては、自宅で過ごす介護生活の現状改善の相談先に~地域包括支援センターのページで紹介しています。

あわせてご覧になってくださいね。

自宅で過ごす介護生活の現状改善の相談先に~地域包括支援センター

紹介内容

自宅での介護生活が大変・・辛い・・少しでも負担を軽くしたい

これから介護生活が始まる・・どうしよう・・

そんな時にオススメです

介護は、一人で抱え込まないことが大切。誰かに相談することは恥ずかしいことじゃないよ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

介護 移乗/移動介助 ベッドから車椅子への移動の仕方と注意点のページと、このページで、移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイントを紹介しました。

利用者さんがどんな体形でも、共通しているポイントは、

  • 身体をできるだけ密着させること。
  • 1人で移乗介助/移動介助できない場合は、迷わずヘルプを呼ぶ。

ということだね

なお、「 車椅子の高さの調整はどうするの?」という悩みもありますか?

高さの調整ができる車椅子の場合は、車椅子の椅子の高さを、ベッドの布団の高さと同程度になるよう調整すると、より楽な移乗ができるよ。

このあたりは、また別の機会に紹介しようと思います。

さらに、移乗介助/移動介助は、今回紹介しました(ベッドと車椅子の間の移乗)だけではなく、例えば、椅子やトイレ等への移乗もありますよね。

これらも、別の機会に紹介しようと思います。

介護は、自宅でも介護施設でも、教科書みたいに完璧に上手にできる必要はなくて、介護をしているあなたと利用者さんが、お互いにストレスを少なく、気分良く生活できることが大切です。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

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