特別養護老人ホーム(特養)の介護現場の職員が、日々どのような1日の流れでお仕事をしているか、ご存知ですか?
入居者さんが朝起きてから夜眠るまで、どんな介助を受けながら1日を過ごしているかの流れを、ご存知ですか?
あなたは今、こんな思い/疑問はありませんか?
特養が、就職/転職先の候補の1つに挙がっています。
老親や大切な人の、介護施設、特養への入居を考えています。
特養が高齢者施設、介護施設の一つということは知識としては知ってるよ。
でも、特養で具体的にどんな日常が送られているかは、よく知らない/全く知らない。
実際に特養で働いていた/働いている経験や、身近に介護を受けている人がいないと、特養の生活状況は、なかなか思い浮かばないよね。
特養の公式ホームページやパンフレットをみると、例えば、こんな掲載をよく見かけるよね。
利用者さんのいきいきと充実した生活を支援します!
利用者さんに応じた最高のサービスを提供します!
「 うんうん。そうなのか。いいんじゃないの。」と思う。
一方で、それらを見ても、
実際の介護現場で、介護職員がどんな仕事をしていて
実際の介護現場で、利用者さんがどんな1日の過ごし方をしているのか
正直よく分からないこともあるのではないでしょうか。
これから自宅/介護施設を問わず、介護にチャレンジしようとしている、或いは、家族や大切な人のために、特養の1日の流れやどんな生活を送っているのかを、知っておきたい。
「 そこが知りたいんだよね」という人のために、特養の公式ホームページ等では紹介されていないようなことも織り交ぜながら。
特養で介護職員として働いていた経験から、介護職員が行っている実際の介護の1日の流れを、時間に沿って紹介していきますね。
特養で介護職員が行う介護の1日の流れ
特養で介護職員が行う介護の1日の流れについて、利用者さんが朝起きてから、時間に沿って紹介していきます。
① 朝目覚めてから朝食まで
利用者さんが朝目覚めてから朝食までは、こんな流れです。
(朝目覚めてから朝食までの大まかな流れ)
起床 ⇒ 排泄介助 ⇒ 移乗介助・移動介助 ⇒ 朝食
まずは起きてトイレ。
あなたが健常者でしたら、なんてことはない、いつものこと。あっさり終わるよね。
一方で、特養の利用者さんの場合、起床後のトイレがあっさり終わることは、そんなにないよ。
トイレで排泄ができる利用者さんに対しては、トイレで排泄介助をします。
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トイレでの排泄介助の仕方と注意点/ポイント
トイレで排泄ができない利用者さんに対しては、ベッド上で排泄介助/おむつ替えをします。
特養には、トイレで用を足すことができない利用者さんが沢山います。こちらの方が半数以上といってもいいかも。


排泄介助。朝っぱらから、あなたが介護に慣れていなかったら、いきなりの刺激的な介助。
慣れていたらいつものルーティーンの流れ作業的業務だけど、それても刺激的です。
一方で、むしろ利用者さんの方が、介護職員よりも精神的にしんどいものです。

無事に排泄介助が終わったら、服を着替えて、ベッドから食堂まで移動します。
自力で食堂まで歩いて行ける利用者さんは自力で歩いて行きますが、そうではない利用者さんも沢山いらっしゃいます。
そんな利用者さんの移動には車椅子を使うので、ベッドから車椅子に移乗します。移乗介助/移動介助ですね。
この移乗介助/移動介助、介護職員にとって、体力的に結構しんどい。
介護のベテランさんでも大変な介助の一つです。
腰や腕を痛めかねないし、痛めたら普段のプライベートの生活にまで影響してしまうことも。
そのため、利用者さんの状態次第で、介護職員2人で移乗の対応することもあります。
状況に応じて、介護職員にとっても利用者さんにとっても、少しでも楽な移乗になるよう移乗介助を行います。
ベッドと車椅子の間の移乗介助の仕方や注意点/ポイントについては、以下のページで紹介しています。こちらもあわせてご覧になってくださいね。
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食堂に着いたら、朝食です。

美味しい食事はそれだけで楽しくて明るくなりますよね。
一方で、特養の利用者さんの中には、「 介助されないと食べられないし、体力も使うからしんどい・・」というコメントも。
利用者さんが自力で食事ができない時には、食事介助を行います。
食事介助については、【介護の実務 -食事介助(1)食事介助の仕方と注意点(食事介助の準備編)-】から、順次紹介しています。あわせてご覧になってください。
食事介助の仕方と注意点/ポイント
https://kaigo-nuigurumi-garden.com/care-action/shokuji-meal-assistance1_atab
朝ご飯が終わったら。食事介助が終わるということではないよ。


これも、自力でできない利用者さんには、口腔清掃介助が必要です。
口腔清掃介助は、利用者さんの状態によって方法が分かれます。
「 排泄介助、おむつ替えの方が精神的に楽」という介護職員もいるんですよ。
これ、「 意外」と思う方も多いかもしれませんね。
② 朝食後から昼食まで
次は、朝ご飯後の歯磨きをした後から昼食までの流れです。
朝ご飯後の歯磨きの後から昼食までの大まかな流れ
朝食後の口腔介助 ⇒ 移動介助/移乗介助 ⇒ ベッドで過ごす ⇒ 排泄介助 ⇒ 移乗介助/移動介助 ⇒ 昼食
朝食後、中には、ずーっと食堂でくつろいでるよ、という利用者さん少ながらずいます。
私が働いていた特養では、自力で歩けない利用者さんにはベッドで横になってもらっていました。

このあたりはそれぞれの特養で違うし、良くも悪くもいろんな考え方があるところです。例えば、以下で軽めに紹介しています。
介護施設側が言う「ちょっと横になると楽よ?」は危険?
https://kaigo-nuigurumi-garden.com/column/choose-tokuyo/clothes1_atab
https://kaigo-nuigurumi-garden.com/column/choose-tokuyo/room1_atab
ということで、車椅子からベッドへの移乗介助、起床してから朝食のために食堂に行く時と逆の移乗介助/移動介助を行います。
移乗介助/移動介助、やっぱり腰や腕などを痛めかねない。
ここでも少しでも楽に移乗できるよう、2人移乗(介護職員2人で移乗対応をすること)などを行います。
この時、一緒に服も着替えます。
ここで利用者さんはしばらく思い思いに過ごします。
といっても、それぞれの身体の状態で出来ること出来ないことがあるのは致し方ないところですね。
そして、しばらくすると昼食ですが、その前に排泄介助です。

と、あなたも思うかも?でも、必要なことだよね。
健常者のあなたも午前中にトイレに行くでしょうし、特に特養で介護サービスを受けている方々は、年齢的にもお腹の機能が弱っている方もたくさん。
それに、利用者さんの尊厳を守る意味でも、前もって排泄介助をしておかないと。
「 食事中におむつ替え・・」と無駄に落ち込んでしまいます。
といっても、朝食から昼食の間の排泄介助は、朝起きた時の排泄介助に比べると、時間も短くすむし、気も楽。なぜか分かるかな?
無事に排泄介助が終わったら、服を着替えて、ベッドから食堂まで移乗介助/移動介助で移動します。朝食の時と同じです。
食堂に着いたら昼食です。
この時の介助内容は、基本的には朝食と同じです。ご飯 ⇒ 食後の歯磨き、口腔清掃介助も同様。


それらに対応していくところが、介護職員にとってとても難しいところだよ
ここまでのまとめ
いかがでしたでしょうか。
特養の実際の1日の流れについて、特養の公式ホームページやパンフレットには書かれていないようなことも織り交ぜながら、『起床してから昼食後の歯磨き、口腔清掃介助まで』を紹介しました。
よくよく読んでみると、健常者のあなたも普段自分で当然のようにしている事と同じではないですか?
特養の利用者さんも、ちょっと前までは今のあなたと同じように当然のように自分で出来ていたこと。
それでも、あなたも私も、身近な大切な人も、あなたに偉そうに接して「 なんだこいつ」と思われている人も、皆さん全員が将来なり得る姿なのです。
そう思うと、いろいろ思うところもありますよね。
次は、昼ご飯後の歯磨き、口腔清掃介助をした後からの特養の1日の流れを、特養の1日 昼食後~夜眠るまでで紹介していきます。
特養の1日 昼食後~夜眠るまで
https://kaigo-nuigurumi-garden.com/care-action/action/daily-flow-tokuyo2_atab
特養の午後からの、介護現場のお仕事や利用者さんの生活状況のイメージができるようになりますよ。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!