食事介助をしていて、利用者さんは嫌がらずに食事していますか?
毎日の食事介助が、なかなか楽にスムーズにいかないことはありませんか?
ご自宅や特別養護老人ホーム(特養)のような介護施設などで介護にチャレンジし始めたあなた。
あるいは、これから介護にチャレンジしようというあなた。
あなたは今、このような思い/悩みはありませんか?
毎日の食事介助、利用者さんの機嫌に左右されてなかなか進まない・・どうしたら?
実際に食事介助をやってみたらうまく進まない。介護現場のあるあるの一つですよね。
そんな食事介助について、特養の介護現場で介護職として働いてきた経験から、食事介助中の声かけも含めて、食事介助の仕方、注意点/ポイントを紹介していきます。
具体的には、(利用者さんがどの程度、自力で食事が出来るか)により、
このページと、介護 自力で食事できない時の食事介助の仕方と注意点/箸はあり?のページの2ページで、紹介していきます。
食事介助をスムーズに時短でできる機会が増えたら、こんな生活を過ごせるきっかけになりますよ。
介助をしているあなた:介護に要する時間や労力が減って、あなたのために使える時間や機会が増える
介護を受けている大切な人:少しでも楽しく美味しく食事できる機会が増える
あなたも大切な人も、できるだけストレスの少ない介護生活を過ごせるきっかけになりますよ。
このページでは、介護を受ける方を「利用者さん」と表現しています。自宅で介護をされている場合は、例えば、「ご家族の方」や「親しい方」のように読み替えてください。
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食事介助をよりスムーズに進めるために 準備の5つのポイント
食事介助をより楽にスムーズに、ストレスをより少なく進めるために、食事介助の前にしておくお薦めなポイントは、5つあります。
それらを、介護 食事介助前に準備しておくと食事介助がより楽になる、5つのお薦めポイントのページで紹介しています。
あわせてご覧になってくださいね。
食事介助の仕方と注意点/ポイント~食事介助中~
ここからは、食事介助中における、食事介助の仕方と注意点/ポイントです。
利用者さんの要介護度・要支援度といった介護の重度やそれぞれの状況、性格により、自力でどの程度食事ができるか、変わってきますよね。
そこで、下記の表のとおり、利用者さんが自力でどの程度、食事できているかをタイプ別に分類して、紹介していきます。
紹介内容/事例 |
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1-1. 自力で食事ができる利用者さんの場合 |
1-2. 少し食事介助をしたら自力で食事ができる利用者さんの場合 |
1-3. 自力で食事ができない利用者さんの場合 |
1-4. 寝たきりの利用者さんの場合 |
このページでは、(1-1.)と(1-2.)を紹介していきます。
(1-3.)と(1-4.)は、介護 自力で食事できない時の食事介助の仕方と注意点/箸はあり?のページで紹介しています。
具体的な食事介助の前に 介護の基本
食事介助中の食事介助の仕方と注意点/ポイントを具体的に紹介する前に、介護の基本を1つ。
食事介助に限らず、介護の基本は、(利用者さんが出来ることは、自力でするよう働きかける/支援する)です。
あなたが良かれと思っても、余分な介助は厳禁。それは介護ではなく、余計なお世話。こんなことになるよ。
(利用者さんが自力で出来ていることを、あなたが余分に介護する)
⇒
(利用者さんが自力で出来ていたことが出来なくなる)
⇒
(利用者さんの介護の重度(要支援度・要介護度)のさらなる悪化につながる)
⇒
(利用者さんも介護をしているあなたも、介護がしんどいもの/不幸なものになってしまう)
B'zの『あいかわらずなボクら』の歌詞のような状況だね。
「あいつはダメだ」 なんてキミ勝手に 決めないで余計なお世話だよ
利用者さん自身が出来ることは、自力でやってもらうように働きかける/支援する。これ、介護・介助の大前提です。
1-1.自力で食事ができる利用者さんの場合
そもそも、「 自力でご飯を食べることができている高齢者に、食事介助、いるの?」という疑問もあるでしょうか。
私も特養で働き始めるまでは、「 自力でご飯を食べることができる高齢者には、食事介助はいらんでしょ」と思っていました。
ですが、この(自力でご飯を食べることができる)の程度によっては、食事介助が必要になりますよ。
まず、なんの問題もなく、利用者さん自身で食事ができている場合、例えば、食事の様子だけを見ていて、一見して、
「 この人、なんで介護サービスを受けているの?」
と、とても介護サービスの利用者さんとは思えないような方々も、大勢いらっしゃいます。
このような何の問題もなく利用者さん自身で食事ができている場合は、あなたは食事の様子の見守りをしながら、時々会話をする。
このくらいで問題ありません。
これは、食事をする場所が、食堂やキッチンのテーブルでも、ベッド上のテーブルでも同じ。
「 食事のメニュー?見れば分かるし、いる?」と思ったあなた。
介護の現場では、これがいることが多いんですよ。介護 自力で食事できない時の食事介助の仕方と注意点/箸はありのページで紹介していますので、あわせてご覧になってくださいね。
ここで、「見守るだけでいいから」とあんまり油断していると、いつの間にか、喉に詰まらせてた、なんて事故が、それなりに起こるよ。
これ、介護現場のあるあるのひとつです。
そのため、ありきたりだけど、できるだけ目を離さないようにすることが注意点/ポイント。
健常者は、喉に何か詰まっても、喉とお腹に力を入れて詰まりを取ろうとしたら、実際にとれることもあるよね。
あなたはいかがですか?
一方で、歳を重ねて介護を受けている利用者さんだと、これがなかなかできないこともあるよ。
ちなみに、最近の介護の現場での食事、介護食には、喉に詰まりにくいようにいろんな工夫がされています。
例えば、とろみ加工されていたり、サイズが小さめになっていたり。結構いろいろと考えられています。
一方で、自宅では、「 うちのじいちゃんばあちゃん、食事中によく喉に詰まらせるから心配」と思っても、「 自宅で介護食を準備するのはちょっと手間です・・」という時もあるよね。
そんな時には、介護食の宅配食サービスを活用する、という方法もあるよ。
この時、「 介護食と言うと怒って反対される・・」、「 介護食を食べているというと、イメージが・・」という時には。
例えば、柔らかめな食事やスープ食を準備してくれる宅配食サービスもあります。
私も実際に取り寄せて試してみたところ、いろんなバリエーションがあって、味もいいし、結構おすすめですよ。
「 介護食?スープ食?」という時には、のページをご覧になってくださいね。
1-2.少し食事介助をしたら自力で食事ができる利用者さんの場合
少し食事介助をしたら、自力で食事ができる利用者さん。
具体的には、例えば、下記のように、自力でどうにか食べようとする意識・意欲がある利用者さん。
手が震えたり強張ったり、食事がスプーンや箸から少しこぼれてしまう、それでも自力で口元に持っていき、口を開けて食べることが出来る
目がよく見えないけど、スプーンや箸を使って自力で口元に持っていき、口を開けて食べることが出来る
等々
これは、時間はかかっても、下記のようなちょっとした介助をしたら、自力でスプーンや箸などの用具を使って食べることができる、付きっきりの食事介助を必要としない利用者さん
というイメージです。
このような場合は、適時、下記のようなちょっとした介助をします。もちろん、見守りもしながら。
- スプーンに食事をすくって利用者さんに手渡す
- 口の周りを拭く
- 服が汚れたら拭く
- テーブルや椅子、ベッド等が汚れたら拭く
これにプラスして、適時行うこと、例えば、「 スプーンを渡すよ」などを、行いながら伝えるように会話する。
介護施設でも自宅でも同じだよ
食事介助の仕方と注意点/ポイント ここまでのまとめ
いかがでしたでしょうか。
食事介助中における具体的な食事介助の仕方と注意点/ポイントについて、
1ー1. 自力で食事ができる利用者さんの場合
1-2. ちょっと食事介助をしたら、自力で食事できる利用者さんの場合
について、紹介しました。
ここまでの利用者さんのタイプへの食事介助は、「 そんなに難しくはないよ」という方もいらっしゃるでしょうか。
そうは言っても、利用者さんにもいろんな人がいるよね。
「 利用者さんとの人間関係や機嫌が原因で、声かけが難しい・・」ということもあるよね。
私も特養でそんな利用者さんがいました。
あんまり深刻にバシバシ受け止めずに受け流すくらいが丁度いいよ。まいっちゃうからね
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
引き続き、(1-3.自力で食事ができない利用者さん)と(1-4.寝たきりの利用者さん)への食事介助の仕方や注意点/ポイントは、下記のページで紹介しています。
あわせてご覧になってくださいね。
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