毎日のベッドと車椅子の間の移乗介助/移動介助、ストレス少なく、楽にできていますか?
移乗介助/移動介助、楽にスムーズにいかないことはありませんか?
ご自宅、特別養護老人ホーム(特養)のような介護施設などで介護にチャレンジし始めたあなた。
あるいは、これから介護にチャレンジしようというあなた。
あなたは今、移乗介助/移動介助について、こんな悩みはありませんか?
移乗介助/移動介助って、ただ抱えて移乗/移動するだけじゃないの?何か特別に考えておくことがあるの?
介護していて、ベッドから車椅子への移乗介助がどうも上手くいかない・・。利用者さんの状態に応じた、移乗介助/移動介助の仕方、注意点/ポイントはないの?
介護していて、車椅子からベッドへの移乗介助がどうも上手くいかない・・。利用者さんの状態に応じた、移乗介助/移動介助の仕方、注意点/ポイントはないの?
大柄で重い利用者さんの移乗介助/移動介助の仕方、注意点/ポイントはないの?
毎日の移乗介助で腰や腕がしんどいし痛い・・。日常生活にも影響が・・。どうしたらいいの?
特養のような介護施設で移乗介助する時と、自宅で移乗介助する時、違いは?自宅で特に注意することはあるの?
移乗介助したら/しようとしたら、利用者さんの機嫌が悪くなる・・どうしたら?
車椅子の押し方?ただ押せばいいだけじゃない?何か特別な押し方があるの?
等々
移乗介助/移動介助に関するこれらの思いや悩みは、介護現場のあるあるの1つですよね。
移乗介助は毎日何度も行うし、しかも、腰や腕を痛めやすい。介護する人の永遠の課題のようなところもあるよね。
私も、特養の介護現場で介護職員として働いていた時には、腰を痛めていたこともあります。
移乗介助/移動介助に慣れている介護のベテランさんでも、「 全く痛めないよ 」という方は、そういらっしゃらないのではないでしょうか。
そんな移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイントについて、特養の介護現場で働いていた経験から、あなたの悩みが解消に近づくよう、順に紹介していきます。
このページでは、ベッドから車椅子へ移乗介助/移動介助する時の仕方と注意点/ポイントを紹介していきます。
これから先、あなたも利用者さんも、「もっと当たり前に」余分なストレスを少なくして、より楽に、介護生活にチャレンジできるきっかけになりますよ。
このページでは、介護を受ける人を「利用者さん」と表現しています。ご自宅で介護をされている場合は、例えば、「ご家族の方」のように読み替えてください。
クリックできる目次
移乗介助の前に ~介護は「上手に」よりも、ストレスを少なく気分良く
介護をしているあなたも利用者さんも、ストレスを少なくして、気分良く日々の介護生活を過ごすこと。
そんな介護生活が目指すところじゃないかな。
お互いにストレスを少なく気分良くできていればいいの
そうは言っても、介護を始めたばかりの頃は、「 上手くやらないと!」ばっかり考えてしまいますよね。
私も、介護を始めて間もない頃はそうでした。心に余裕なんてないよね。
そんなある時、特養の利用者さんから一言。
「 介護はね、上手にされるよりも、気分良く介護してもらえる方が嬉しいもんだよ 」
この言葉を聞いてからは、考え方が変わりました。
『介護は、上手くできるよりも、お互いにストレスを少なく気分良く』
こう考えたら、介護をしているあなたも、気持ちが楽になりませんか。
せっかく日々介護をするなら、出来るだけ楽に、ストレスを少なく、気分良くやりたいよね。
移乗介助をする時に考えること ~前提~
介護で移乗介助/移動介助をする時に考えること(前提)。
「 ただ抱えて移乗/移動させればいいんじゃない?」ではなくて、次の3点を前提にして行うことがお薦めです。
大前提:利用者さんの可動部位を最大限動かして、自分で出来ることは自分でしてもらおう。
介護をしているあなたが、腰や腕など身体を痛めないように。
利用者さんができるだけ苦痛やストレスを感じないように。
「 この3つ、当たり前でしょ、今さら何言ってんの?」と思いますか?
この3つ、実際に移乗介助/移動介助をやってみると、これがなかなか難しくて、なかなか出来ない。
介護経験の長いベテランさんでも。
この3つの前提のうち、1つ目の は、大前提。
移乗介助/移動介助に限らず、介護の基本は、「利用者さん自身が出来ることは、自力で利用者さん自身でするよう働きかける/支援する」です。
介護をするあなたが良かれと思っても、余分な介助は厳禁。それは介護ではなく余計なお世話。こんなことになるよ。
(利用者さんが自力で出来ていることを、あなたが余分に介護する)
⇒
(利用者さんが自力で出来ていたことが出来なくなる)
⇒
(利用者さんの介護の重度(要支援度・要介護度)のさらなる悪化につながる)
⇒
(利用者さんも介護をしているあなたも、介護がしんどく辛いもの/不幸なものになってしまう)
B'zの『あいかわらずなボクら』の歌詞にもあるよね。
「あいつはダメだ」なんてキミ勝手に 決めないで余計なお世話だよ
利用者さん自身が出来ることは自力でやってもらう。これ、大前提です。
次に、3つの前提のうち、2つ目(あなた自身のこと)、3つ目(利用者さんのこと)の だと、どちらがより重要だと思いますか?
いろんな考え方があると思うけど、まずは、介護をしているあなた自身を大切に
介護をしているあなたが、あなたの腰や腕などを痛めてしまっては本末転倒。
介護は毎日のこと。痛みはやがて慢性化して、やがてあなたの日常生活にも影響が出始めます。
そうなってしまったら、あなたもしんどいし辛い。
やがては利用者さんにも満足な介護ができなくなる等、何かしら影響が出始めます。
何よりも、介護が「当たり前に」楽に、気分良いものじゃなくなってしまうよね。
この3つの考え方を前提にして、ストレスの少ない、楽な移乗介助ができるように、具体的に移乗介助の仕方、注意点/ポイントを紹介していきます。
その前に、ここでちょっとブレイク
自宅の介護生活を少しでも楽にするための方法はたくさんありますが、そのうちの一つ、自宅を介護リフォームするという方法もあります。
介護生活用にリフォームするのはお金もかかるけど、介護リフォームをしたら得られるメリットを、こちらのページで紹介しています。
あわせてご覧になってくださいね。
移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイント
移乗介助/移動介助の仕方と注意点/ポイント。
特養の介護現場で介護職員として働いていた経験をもとに、利用者さんの状況別に、ベッドと車椅子の間の移乗/移動の仕方と注意点/ポイントを、以下の順序で紹介していきます。
紹介内容/事例 |
---|
1. 移乗介助をする時に考えること(前提) |
2. 移乗介助における注意点と具体的方法 |
2-1. ベッドから車椅子への移乗の仕方(半身不随や立ち上がれるような利用者) |
2-2. ベッドから車椅子への移乗の仕方(全介助が必要な利用者) |
2-3. 車椅子からベッドへの移乗の仕方(半身不随や立ち上がれるような利用者) |
2-4. 車椅子からベッドへの移乗の仕方(全介助が必要な利用者) |
2-5. 利用者さんが大柄で重い方の場合 |
(2-3)以降は、介護 車椅子からベッドへ移乗・移動のポイントと重い方への対処法のページで紹介しています。
1. 移乗介助をする時に考えること ~前提~
介護で移乗介助/移動介助をする時に考えること(前提)。
これは、上記の【移乗介助をする時に考えること ~前提~】で紹介しました。
「 ん?」という時は、上に移動してくださいね。
2-1. ベッドから車椅子への移乗/移動の仕方(半身不随や立ち上がれる利用者の場合)
半身不随や立ち上がることが出来る利用者さんの場合。
ベッドから車椅子へ移乗/移動する時の注意点/ポイントは、以下のとおりです。
(注意点/ポイント)
- 平らなスペースで行うこと
- あなたと利用者さんが転倒しないようにすること
- 利用者さんの可動部位を最大限活用しながら行うこと
次に、具体的な移乗/移動の仕方は、以下のとおりです。
- あなた:
車椅子を準備する
⇒
車椅子をベッドの横に、ベッドに向かって斜めに(乗り込む側をベッドに向けて、回転して座りやすくなる位置に)準備して、固定(動かないように)します。 - あなたと利用者さん:
利用者さんがベッドの横に腰かけた状態になります。 - 利用者さん:
動かすことができる方の腕の手で、「ベッドのサイドレール(好きな場所に設置できる可動式の手すり)」、或いは、「車椅子のひじ掛け部分」をつかみます。
⇒
そして、中腰でもいいので、自力で、少しでも、立ちます! - あなた:
利用者さんが立つ時/立った時に、転倒しないよう、移乗を支援します。具体的には、利用者さんの正面に中腰になって向き合う、または、横に身体の距離を空けず寄り添うように立ちます。
そして、利用者さんのズボンのウエスト部分を上に引っ張る形で、回転しながら車椅子へ移乗します。
例えば、正面で向き合うなら、お互いの胸を密着するようなイメージがよいです
この移乗/移動の仕方でしたら、介助をしているあなたも利用者さんも、転倒するリスクも少なくなるよ。
あなたが腰や腕などを痛めるリスクも。
(絵で説明できなくてごめんなさい。画力が・・)
2-2. ベッドから車椅子への移乗/移動の仕方(可動部位がない全介助が必要な利用者の場合)
介護では、「利用者さんの可動部位を最大限動かして、利用者さんが自分で出来ることは自分でしてもらう」が大前提です。
と言っても、例えば、寝たきりの方のように、全介助が必要な方もいらっしゃいますよね。
そんな可動部位がない、全介助が必要な利用者さんの場合の移乗/移動の仕方、注意点/ポイントについて、紹介していきます。
ベッドから車椅子へ移乗/移動する時の注意点/ポイントは、以下のとおりです。
(注意点/ポイント)
- 平らなスペースで行うこと
- あなたと利用者さんが転倒しないようにすること
次に、具体的な移乗/移動の仕方は、以下のとおりです。
- あなた:
車椅子を準備する
⇒
車椅子をベッドの横に、ベッドに向けて斜めに(乗り込む側をベッドに向けて、回転して座りやすくなる位置に)準備して、固定(動かないように)します。 - あなたと利用者さん:
利用者さんがベッドの横に腰かけた状態になります/します。 - あなた:
利用者さんが座っている正面に立ち、腰を落として利用者さんと胸を密着させます。 - あなた:
利用者さんの両腕を、あなたの肩の上から背中に回します。 - あなた:
利用者さんの背中側のズボンのウエスト部分を上に引っ張り、胸と利用者さんのズボンを利用して、上に上げるようなイメージで利用者さんを抱えます。そして、足を軸にして回転して車椅子に座らせます。
この移乗の仕方でしたら、あなたも利用者さんも転倒するリスクも少なくなるよ。
あなたが腰や腕などを痛めるリスクも。
(またまた絵で説明できなくてごめんなさい。)
ここまでのまとめ
いかがでしたでしょうか。
ベッドと車椅子の間の移乗介助/移動介助について、まずは、ベッドから車椅子への移乗/移動の仕方、注意点/ポイントを紹介しました。
2-1(半身不随や立ち上がれる利用者さんの場合)
⇒
利用者さんの稼働する部位を最大限活用して、利用者さんに自ら回転してもらうイメージ。
⇒
主体的に動くのは利用者さんで、あなたは支援/援助的なイメージ。
2-2(可動部位がない全介助が必要な利用者さんの場合)
⇒
あなたが主体的に動く、回転するイメージ。
引き続き、車椅子からベッドへの移乗介助/移動介助、さらに、大柄で重い方の移乗介助/移動介助については、介護 車椅子からベッドへ移乗・移動のポイントと重い方への対処法のページで紹介しています。
あわせてご覧になってくださいね。
『介護は、上手くできるよりも、お互いにストレスを少なく気分良く』
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
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