排泄介助のうち、おむつ替え。利用者さんに嫌がられずにできていますか?
毎日の排泄介助がなかなか楽にスムーズにいかないことはありませんか?
ご自宅や特別養護老人ホーム(特養)のような介護施設などで介護にチャレンジし始めたあなた。
あるいは、これから介護にチャレンジしようというあなた。
あなたは今、排泄介助について、こんな思い/悩みはありませんか?
文字のリンクをクリックすると、それぞれ紹介しているページに移動できます。
おむつ替えを嫌がる時と嫌がらない時の利用者さん、どんな心境の違いがあるの?
利用者さんがおむつ替えを嫌がっている時、どうしても嫌がっている時には、どう対処したらいいの?
利用者さんの尊厳のある暮らしを尊重/維持できるようにするためには?~おむつ体験をしてみよう
トイレでストレスを少なくスムーズにおむつ替えをするにはどうしたら?
こんな時のおむつ替えの場所、ベッド上とトイレのどっちがお薦め?
等々
排泄介助に関するこれらの思い/悩みは、介護現場のあるあるの1つですよね。
今回は、これらの中から、排泄介助をする場所について、紹介していきます。
あなたは、排泄介助をする時に、「 こんな時は、ベッド上とトイレ、どっちでおむつ替え/排泄介助するといいの?」と悩むことはありませんか?
特養で介護職として働いていた私の経験から、この悩みが解決に近づくよう、紹介していきます。
これから先、あなたも利用者さんも余分なストレスを少なくして、より楽に介護生活にチャレンジできるようになりますよ。
このページでは、介護を受ける人を「利用者さん」と表現しています。ご自宅で介護をされている場合は、例えば、「ご家族の方」のように読み替えてください。
クリックできる目次
そのおむつ替えの場所は、ベッド上向き?トイレ向き?
排泄介助、おむつ替えといえば、行う場所によって、下記の2通りに分かれます。
ベッド上でのおむつ替え
トイレでのおむつ替え
介助をするあなたは、ベッド上とトイレ、どちらが排泄介助しやすいなどありますか?
私は、特養で働いていたので、特養は要介護度の高い人が多いことから、排泄介助と聞くと、「排泄介助=ベッド上でのおむつ替え」をイメージします。
と言っても、介護現場は、もちろん、特養だけではないよね。
おむつ替えを行う場所としてどちらを選ぶかは、具体的には、利用者さんの状態、及び、その時々の介護現場の状況に応じて選択します。
1.利用者さんの状態
2.排泄介助現場、トイレの広さなどの構造の状況
さらに、どちらを選ぶかによって、利用者さんの今後の気力や意欲といった精神面、尊厳のある暮らしやプライバシーにまで影響するよ。
介護では、上手に出来るかよりも、あなたも利用者さんも、ストレスをより少なく、できるだけ楽に。そんな介護生活を送れることが大切。そこを目指していきましょ。
それでは、(ベッド上での排泄介助/おむつ替え)と(トイレでの排泄介助/おむつ替え)について、それぞれ比較して紹介していきます。
1. 利用者さんの状態から選択
利用者さんの状態により、ベッド上とトイレのどちらで排泄介助を行うと良いか、おおよそ、次のように分けることができます。
利用者さんの状態 | どっち向き? |
---|---|
(a)自力歩行ができている、さらに自力で拭くことができる | トイレ |
(b)車椅子の場合、車椅子から便座へ移乗できる、さらに自力で拭くことができる | トイレ |
(a)、(b)以外 | ベッド上 |
(a)自力歩行ができている、自力で拭くことができる利用者さんの場合。
⇒
トイレでの排泄介助がお薦めです。
トイレでのおむつ替えの仕方/ポイントについては、下記のページで紹介しています。あわせてご覧になってくださいね。
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次に、(b)車椅子の場合、車椅子から便座へ移乗出来る、さらには自力で拭くことが出来る場合。
⇒
(a)と同じく、自力でトイレで排泄が出来るので、トイレでの排泄介助がお薦めです。
ここでは、基本的に排泄介助を率先してするのではなく、排泄介助の見守り」ですね。
この場合の問題点は、車椅子分、及び、移乗介助分のスペースの有無。
特養のような介護施設では、車椅子に対応したトイレが設置されているので、この問題はクリアできます。
一方で、ご自宅では、なかなかそうはいかないケースもありますよね。
トイレ内のスペースの他にも、トイレの入り口に段差があるケースも。
ちょっとした道具を使ってみよう
車椅子に対応できるトイレの広さにする大掛かりなリフォームはちょっと難しい、出来ないこともあるよね。
そんな時には、「トイレの前まで車椅子で行って、車椅子からトイレ(便座)まで移乗介助/移動介助をする」という方法もあります。
それでも、この方法は、介助をするあなたが多くの時間、利用者さんと一緒に過ごすことができるなど、負担になることもあります。転倒のリスクも。
そのため、介助をするあなたと介助される利用者さんのそれぞれの生活スタイルで、
介護生活は、良くも悪くも終わりがみえないもの。介護生活が長くなるケースも。
介護をするあなたが無理をしすぎると、最悪、テレビニュース/ネットニュースになってしまいかねない。
そこで、一例として、例えば、車椅子まで行ったところからトイレまでの間に、手すりを付ける。
あなたが移乗介助をできる時は、あなたが介助をする。できない時には手すりを活用する、という方法もあります。
ご自宅の場合は、この方法が現実的ではないでしょうか。
てすりの設置については、介護 自宅で楽な移乗介助をするために~準備のポイント 特養との違い
のページでも紹介しています。あわせてご覧になってくださいね。
自宅をリフォームしてみよう
車椅子に対応できるよう、自宅のトイレや廊下などリフォームをするという方法もあります。
介護のためにリフォームをすると、得られるメリットもあります。
あわせてご覧になってくださいね。
地域包括支援センターに相談してみよう
いずれにしても、詳しい人に相談したいですよね。
相談先は、例えば、担当のケアマネジャーだけではなく、お住まいの自治体の地域包括支援センターもあります。
地域包括支援センターを活用することについては、こちらで紹介しています。あわせてご覧になってくださいね。
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(a)と(b)以外の場合は、ベッド上での排泄介助/おむつ替えが向いています。
例えば、トイレに行くことが出来ないケースや、利用者さんが自力で拭くことが出来ないというケースが該当します。
但し、特に後者(利用者さんが自力で拭くことが出来ないケース)は、考え方次第でトイレで排泄介助/おむつ交換をする方がお薦めなことも。
⇒
利用者さんの尊厳のある暮らしを保つことにつながるから。
おむつ替えの介助をしているあなたが頑張れば、かつ、トイレのスペース次第で、トイレで排泄介助が出来るから。
なお、利用者さんが尊厳のある暮らしを送れるようにするためには、そのことを介護をしているあなたが実感として知る/考えるには、については、
介護 おむつ体験と利用者の尊厳のある暮らし/プライバシーで紹介しています。
② トイレの広さなどの構造の状態から選択
トイレの広さは、ベッド上とは違って、横や奥行きは狭めで、縦(高さ)に広いよね。
この構造の特徴を活用して、ベッド上とトイレのどちらで排泄介助を行うと良いか、おおよそ次のように分けることができます。
トイレの状態 | どっち向き? |
---|---|
(c)車椅子を利用しておらず、排泄介助を行う充分なスペースがある | トイレ |
(d)車椅子を利用している場合:「車椅子分」+「車椅子と便座間の移乗介助ができる」だけのスペースがある | トイレ |
(c)、(d)以外 | ベッド上 |
(c)車椅子を利用しておらず、排泄介助を行う充分なスペースがある場合。
⇒
トイレで排泄介助を行うことがお薦めです。
車椅子を利用していないなら、多くの場合は排泄介助を行うスペースがあるかと。
介護 トイレでのおむつ替えの仕方~利用者のタイプ別のポイントをもとに、トイレで排泄介助にチャレンジしてみることがお薦めです。
(d)車椅子を利用している場合:「車椅子分」+「車椅子とトイレの間の移乗介助ができる」だけのスペースがある場合。
⇒
これも、トイレで排泄介助にチャレンジしてみることがお薦めです。
https://kaigo-nuigurumi-garden.com/care-action/action/omutsu-diaper-change3_atab
(c)と(d)以外の場合。
⇒
ベッド上での排泄介助が向いています。
これは、トイレに、排泄介助を行うだけのスペース的余裕がないというケースです。
スペース的余裕がない場合は、上記の(① 利用者さんの状態(b))でも紹介しましたとおり、
(1)まずはスペース確保のリフォームを検討。
(2)スペース確保のリフォームが難しい/無理な場合は、手すりを付ける。
(3)手すりを付けることも無理な場合は、ベッド上でおむつ替えを行うことを考えよう。
がお薦めの流れです。
利用者さんの精神面、尊厳のある暮らしやプライバシーから考えたら、どっちがいい?
利用者さんの今後の介護生活の意欲といった精神面、利用者さんの尊厳のある暮らしやプライバシーから考えたら。
ベッド上よりも、トイレでの排泄介助を第一に。
「トイレで用を足す」という当たり前の行為が出来ることが、利用者さんの尊厳を保つ1つになっているから。
と言っても、特にご自宅で介護をされる場合には、ここまで紹介してきましたとおり、現実的に難しいケースもあり得ますよね。
ここは、利用者さんの精神面に対する配慮と、介助をするあなたの労力のバランス次第。これが介護の現実ですよね。
最悪避けるべきケースは、利用者さんと介助をするあなたが共倒れになること。
そうならないために、ご自宅の介護では、誰か/サービスを頼ることも、是非選択肢に [jin_icon_like size="15px" color="#24b500"]
ご自宅での介護は、誰か/サービスを頼ることは恥ずかしいことではないから。
そうしたら、介護を継続的に、より楽に、ストレスを少なくできるようになっていくよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
おむつ替えをする場所として、ベッド上とトイレのどちらを選ぶかについて、
・利用者さんの状態
・トイレの広さなどの構造の状態
から分類して、特養で働いていた経験をもとに比較して紹介しました。
排泄介助/おむつ替えは、利用者さんにとっても介助をしているあなたにとっても、数ある介助の中でも、精神的にも肉体的/体力的にも特に厳しくてしんどい、難しいもの。
どうしても無理。
どうやったらいいのか分からない。
そんな時には、あなた一人で悩まずに、誰か/サービスに相談されることも選択肢にいれると楽になるよ [jin_icon_like size="15px" color="#24b500"]
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
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